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現実に右往左往しながら、ときどき動画を作る人の記録。

ふぃるPと朗読Pが好きなことを好きなように話してみた (2)

一つ前の記事の続きです。またしても長いので、本文は格納先にて。
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[ふぃるPの初めてのオフ]

ふぃるP:一番最初に会った人は誰だろう。HzP(HzPのマイリスト, 0901P同期)だな

朗読P:おおHzP

ふぃるP:アキバのリナカフェ(参考, カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店の通称。日本版Twitter使用者の聖地)で何かあるって聞いて、仕事中だったんだけど3時間くらい時間が空いたから、社用車でアキバまで行ってw 「誰かいるのかな?」と聞いたらHzPが「あ、じゃあ会いましょうか」ってね

朗読P:ほうほうw

ふぃるP:で、いきなり会って「リナカフェなう」しましたね。

朗読P:リナカフェなうwww

ふぃるP:それが始まりかなあ。その後立て続けに、なんか生放送界隈の人たちとオフ会行ったり。とにかくそこからどんどん人と会うようになったね

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[ボカロの勢いとニコマス、音と映像]

朗読P:そういえば、さっきコミュニティの飽和点と言うか限界が見えるのはどのあたりだろうか、みたいな話をしましたけれど、今ボカロが成長を続けて規模を維持しているのは、彼ら・彼女らは(全く新しい)曲を次々に作っていけるのがその理由だと思うんですよね

ふぃるP:ああ

朗読P:もちろんPの入れ変わりとか世代の交代とか、流行の移り変わりはありますけど

ふぃるPそれでも好きなものを無限に作っていけるからなあ

朗読P:そして曲を動画にするために必要な絵を描ける人たちがpixivだけではなく、ボカロ主体のプラットフォームであるpiaproにもいますからねメーカ側であるクリプトンがそうした流通の促進を公式として行っているということも要因の一つかもしれません

ふぃるP:なるほどねえ

朗読P:ボーカロイドのキャラクターは、公式設定としては身体的特徴程度しか与えられていない中で、ファンが独自に今度のボカロはどうしようか、みたいな感じで"持ち物戦争"(参考)とかありましたけど。ミクのネギ以降はそういうのを経て、リンはみかんになったりしたんですが、インパクトが強かったロードローラーが一世を風靡したり(参考)w 他にはたこルカの衝撃とか、あのあたりのノリは同人誌のノリに近いものがありますね。クリプトンも、「どうしてこうなった」と思っているかもしれませんが、「でもまあいいか」くらいの緩い距離を保っている気がします

ふぃるP:そういうスタンスだもんね

朗読P:あんまり露骨過ぎるものはどうなの?、というので前にデッドボールP(参考)が削除されたことはありましたが

ふぃるP:デッドボールP?…ああ、"既成事実"(参考)とかの人ねw



朗読P:ボカロの使用規約にある「公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開や配布することはどのような方法であっても許されません」というのが法的にどうなのか(参考記事1, 参考記事2)を考えている人もいますけど、そういうことはお構いなしに「今のうちにどんどん作ってどんどん楽しめばいいじゃない」という、ニコマスより少し若い創造の雰囲気を感じます

ふぃるP:うん、若いよね

朗読P:視聴者の年齢層的にも中高生あたりはけっこういると思うんですよね。そうすると、ニコマスよりもっと一般寄りというか一般の人も取り込みやすいのは(背景の設定や文脈をあまり把握しなくても)曲から直に伝わるボカロの方なのかな、と

ふぃるP目、映像じゃないんだよね

朗読P:ですね、音で勝負できちゃう。PVを作る人がいて盛り上がるということも当然ありますが、ニコマスのような「映像あってこそ」という要求は小さめなのかな

ふぃるP:…で、映像は、何だろうな。簡単にはできないよね

朗読P:一定以上のものを目指すときは特にそうですね

ふぃるP:もちろん音だって(その道に)入ったら入ったで大変なわけだけど、その間口は広いよね。「歌ってみた」で参入することもできるし

朗読P:ニコマスも2009年を迎えて、映像制作の敷居を高いと感じる人が多かったのかどうかははっきりとわかりませんが、ノベマスが急速に増えて。新着画面がほとんどノベマスとか。時折、ノベマスを作っていたけれどPVにも挑戦しました、とかその逆をやる例外的な人もいますけど

ふぃるP:手描きの人がゴリゴリのPVを作ったりもするしね

朗読P:うんうん

ふぃるP:どうなるかなあ。音系の人もまだものすごいモチベーション持ってるしなあ

朗読P:古参の人も、投稿ペースはかつてほど早くはないにしろ、たまに「こんなもの作ってたの!?」という恐ろしい出来の作品を、ある日突然、潜水艦が浮上するように投稿してきたりとか

ふぃるP:カブキンPのホラM@S(参考)とかね



朗読P:あれは驚きました

ふぃるP:伸びてないけどw あとは…そうだな、よつばねぎPが律子誕生祭で出してきたやつとか(参考



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[朗読さん、自分語りをはじめる]

朗読P:そういえば、コミュニティのつながりと関連があるかどうかは微妙ですが、自分がもともと今の院に進もうと思ったきっかけというか、遠因がニコマスだったという

ふぃるP:あれ、どういう専攻?

朗読P:えっと、そうですね、内容としては情報工学、特に情報検索とかあとはタグですね。動画につくタグのように、情報分類の専門家(例えば、図書館の司書)ではなく、普通の、そういう分類体系の知識がない人が、自分の主観に基づいてコンテンツの内容を評価した結果として得られる短い単語群、それも大勢の利用者がいるようなサービスで、ですね。それを調べると、あるジャンルで有効なタグっていうのは収束していく傾向にあって。せっかくだからそれを使って、利用者の感覚に合う情報の分類とか吸い上げ、推薦ができないか試してみようじゃないかと。そういう研究が本業です

ふぃるP:ほうほう

朗読P:前置きが長くなりましたが、そのきっかけになった出来事があったのが2007年末くらいですかね。当時、北海道大学で修士課程にいた伊藤聖修さんという方がですね、"アイドルマスター"タグのついた動画について、他についているタグも収集して。あるタグとあるタグが一緒についている(「共起」という)組み合わせはどのくらいの量があるのかということを調べたんですね(参考記事)。そうすると例えば、やよいだったら"うっうー"とか、春香だったら"はるかっか"に"黒春香"に"白春香"とか。(参考画像

ふぃるP:なるほどねえ。そうするとどんどん枝分かれしていくんだ

朗読P:そうですね。枝分かれというよりは"アイドルマスター"タグを中心として、各タグがそれぞれ親和性の高いタグと集団を形成していると言った方が近いですが

ふぃるPTwitterで言う、クラスタみたいなもの?

朗読P:そうですそうです、まさに。またその中で、クラスタ間を横断的につなぐタグもあったり。で、それをニコニコ動画全体で調査した結果を学会発表として出したんですね。それを見て、「あ、こんなことも研究になるんだな」って思って。そのときはアイドルマスターなんて全く知らなかったものだから、「この人が分析したタグネットワークの中に、"アイドルマスター"ってあるけど、これ何?」と。それでニコマスを見始めましたね

ふぃるP:面白い入り口だなあw

朗読P:それで1年くらいずっと見る専で。最初の頃はニコニコのランキングに上がってくるもの、あとは週マスで気になったものくらいしか見ていませんでしたね。伸びていない動画は特に。ピックアップで紹介されないとまず見ませんでした。そうしているうちに、ある日「情熱大陸×如月千早」という動画が紹介されて参考)。2008年の、7月くらいだったかな。その頃に投稿された動画があってですね、その動画は情熱大陸のナレーターをしている窪田等さんの語りと千早のコミュをうまく使って、ラストコンサートに至るまでをドキュメンタリー取材したように作ってあるんですが、これが本当にうまくまとまっていて。千早がshiny smileを歌う場面でもナレーションが流れるんですよ。ナレーション自体は別にそのために作られたものじゃなくて、当然別の音源から取ってきて切り貼りされたものなんですが、そのあまりの違和感のなさに、実際にそういう番組が実在したかのように見えてしまって。でも、その人はそれが引退作なんですよ。



ふぃるP:あ、そうなんだ

朗読P:マイリストを見ると、その人はそれまでずっと伸びなくて。最後のその動画だけが2万8千くらいで大台に乗っているんですね。でもご本人がそれを見届けたかどうかは。ピックアップは投稿からもっと後の話ですし。またマイリストのコメントには、ナレーションの音源がある場所と、もし「他の人物でも面白い脚本ができたら、作ってみてください」とメッセージがあったのですが、それ以降で窪田さんのナレーションを編集して物語にしたり、ドキュメンタリー風の動画に仕上げた人がいなかったんですね。

ふぃるP:ふむ

朗読P:そのとき既に音声素材となるポッドキャストは2年半分くらい配信されていて、「なぜこんなにあるのに、その中から物語を探そうとする人が誰も後に続かないんだ?これで終わりなのか?それはないだろう」ということで、自分の書いたシナリオから合う単語を検索してきて作ったのがあの春香の動画です



ふぃるP:ほうほう

朗読P:あれも"春香"っていう単語がたまたまバックナンバーの中に出てきたから使っているだけで。違和感がなかったものだから、私が話していると勘違いした人もいましたけれどw

ふぃるP:そういう経緯がわかるとまた面白いなあw

朗読P:まだ作っていない子が半分くらいいるんですけど、何とか完成させたいですね。シリーズとして考えているのは、あと亜美・真美、雪歩、やよい、伊織、律子ですが、ロリトリオをあの語りのスタイルでやるのがすごく大変で難航していますw ナレーション素材はずっと集めているのですが、この前ちょっと見てみたらmp3で圧縮された音声だけなのに1.5GBくらいあってw 1本あたり10~20分なので相当な長さですが、それだけあってもまだどうしても補い切れない分は個々にオリジナルの設定を加えつつ1つの話にしています。構成としてはナレーションと字幕が交互に来る形ですが、過去に使った決め台詞はそれ以降の作品で使っていませんし、使えません「これ聞いたことあるな」と思わせてはダメなので。自分ルールですが

ふぃるP:それにしても、使うとなるとナレーションのファイルを全部聞かないといけないよね

朗読P:聞きますね。実際聞くというよりは、まず配信元のブログを読みます。そこに書いてあることが朗読されているので

ふぃるP:ということは何をしゃべっているのかは予めわかるわけだ

朗読P:そうです。そのブログをひたすらアーカイブしておいて検索します。ただ、すごく良い台詞があっても、その部分に元の音源でBGMが入っていると困ってしまって

ふぃるP:自分もBGMをのせるから、使えないと

朗読P:はい。ある台詞で「この主語だけ消したいな」と思っても、バックに音楽が入っているとそれだけ消すのは難しくて。無理にやると声が歪みますし。初めからそのために作られたナレーションであるようにしないと、満足できないというか

ふぃるP世界観が保たれないと

朗読P音声編集であることを感じさせてしまうと、一気に"作り物"っぽくなるので。お話はもちろん作り物ですが、音声については、見ている間そういうことを思わせないようにしようと。そんな感じですかね

ふぃるP:みんなそういう難しいことを考えながらやっているのかなあw

朗読P:いや、話しながら気づくことも多いですよw 今お話したことの大半は、前に爽快PやdbdbPと雑談したとき、話していくうちに引き出されたものですからw
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