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現実に右往左往しながら、ときどき動画を作る人の記録。

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ぐるぐる思考迷路



メイP

悔しい。悔しい。本当に悔しい。
何が悔しいのかというと、この作品に対する感想が言葉として出せない所が悔しい。
千早、春香、みんな。
彼女と、彼女と、彼女たちの話。
一回見る。もう一回見る。何回も、何回も見る。
「すごい」じゃなく、「おお」でもなく、もっと実体のある言葉をつかみたいのに、自分の奥からそれが出てきてはくれない。

うなって転げ回った末、変なものが一つ浮かび上がってきたので、捕まえて話を聞くことにした。
ドラえもんの道具で、「コエカタマリン」というものがある。
液体状の薬剤で、これを飲むと、自分の話した言葉・発した声が物理的に現出する。大きな声ほどそのサイズは大きく、飛び出してくるスピードも速い。おそらく重さも声の大きさに比例するのだろう。もしおしゃべりの人が飲んだなら、すぐに部屋がいっぱいになってしまいそうだと妙に心配してしまう、そんな道具だ。

閑話休題。

実に奇妙な例えになるが、僕にとって、メイPのこの作品は、寡黙な語り手がコエカタマリンを飲んで話しかけてくるような印象があった。口調は静かでゆっくりだから、現れる声の大きさは小さい。スピードもそんなに速くない。だけど、その言葉には重みがある。ズシンとくる。話していないときも、その沈黙が長い休符となって現れ、映る像をむしろ際立たせる。それに目を奪われ、言葉はさらわれていく。ついには僕の思考も押し流され、最後に残ったものは、彼女たちの表情。高らかに響き渡る賛歌。

参りました。もうこれは、笑うしかない。
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